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心エコー研修受講生のレポート

【研修報告】

・実際に患者さんにエコーを当てる経験をさせていただきました。臨床検査技師の方々は簡単そうに画像を出していましたが、きれいな画像を出すのは見た目よりずっと難しかったです。

・ゼロベースから心エコーの勉強を始め、研修前にはFOCUSの描出と評価について予習して研修に臨みましたが、実際行われているのはFOCUSではなく詳細な心機能計測でした。検査の依頼情報や事前の他の検査などを参照し、目的を持って各種計測をする形でした。事前に計測の知識がカバーできておらず実習中に並行で勉強するような形でした。実際の計測においても画像のどこまでを計測対象として採用すべきかなど練習が必要な項目が多くあり、事前に計測の知識が入っていたらもっと計測の練習もすることができたと思いました。

・心時相について、心エコーの計測ではそれぞれ計測すべき時相が決まっており心時相の理解が重要です。看護師は収縮期・拡張期の2相で心臓の時相を見ていることが多いですが、心エコー検査においては各心時相(心房収縮期・等容性収縮期・駆出期・等容性弛緩期・充満期)と弁の動き、心電図上の位置(特に収縮期の始まりと終わり、拡張期の始まりと終わり)、左心系・大動脈の圧関係をリンクさせて理解していることが重要であることを感じました。
実際心エコー検査の計測のときには心電図で時相のあたりをつけて、弁の開閉のタイミングをみて計測に使用する時相を決めていました。

・弁の動きは弁前後の圧較差によって動かされていること、圧較差はそのまま血流を反映することのイメージが必要です。そのため、圧関係のグラフは頭に入っていることが必要です。

・各弁の狭窄や逆流に関して、その弁膜症がもたらす血行動態の変化を理解することが重要です。(Ex. MRがあるとLV収縮が良くてもLV→LAに逃げてしまうため、見かけ上EFが良くてもforward flowが減る。TRがあったらTRPGを確認しにいってPHが無いか確認が必要等。)

・虚血においては冠動脈AHA分類と心臓栄養領域、心電図上での場所をリンクさせた理解が必要です。

・予め基本断面でどこをみているか、予習しておくと見学入ったときに何をみているかわかりやすいです。

・心不全とその要因となる弁膜症の評価ができるようになりたい。など具体的な目標があったほうがいいです。

・今回心エコーについて勉強し、心エコーで得られる情報量は多く、いままで活用できていなかったのがもったいなかったと感じるほどでした。特に、動画で流体、弁や心臓の動きを評価できるのが心エコーの強みであり放射線画像では分からない弁膜症や心機能の評価ができ心臓のアセスメントとして重要であることがわかりました。エコーレポートを読めるようになるだけでもかなりの情報量があり、心臓のアセスメントにおいてはかなり有用であると感じました。